 タイムス県知事選結果報道   新報県知事選結果報道 (両新聞社報道写真より)     |  私は政治に関する事には、出来る限りかかわらないでいたい人間ですが、今回の沖縄県知事選だけは、絶対に無関心であってはならないと自分に言い聞かせ続けておりました。
今回の知事選の最大の争点は、世界一危険と言われる米軍普天間飛行場を、沖縄の北部にあって、沖縄で最も美しい、ジュゴンの住む辺野古の海に移転させようとしている日本政府の計画に、賛成か反対かの信を問う、沖縄の将来の命運がかかった選挙であったと思います。 2014年11月16日の選挙で、沖縄県民は約10万票の大差をつけて¨辺野古への基地移設絶対反対¨の公約を掲げて立候補した、前那覇市長の翁長雄志さんを当選させました。
普天間飛行場の辺野古への移設に同意した仲井間現知事は、4年前の選挙では、普天間飛行場は県外か海外へ・・・、という公約を掲げて知事になった人です。その知事がいつの間にか心変わりをしてしまい、昨年の暮れには、県民の70%余りが反対の意思を示している辺野古への移設を容認し、日本政府との契約に調印したのです。
日本政府との約束に調印した後の記者会見で、当の仲井間知事は次のような言葉を口にしております。『日本政府から(基地移転との引き換えに)、毎年3000億という沖縄振興予算をいただけるという、驚きの約束を取り付け、こんなめでたい事はありません・・・』。この言葉を耳にした大多数の沖縄県民は余りの事に、只只呆然とする他はありませんでした。 今回の選挙で10万票の大差がついたのは、その時の沖縄県民の無念さの表れであったに違いありません。
日本政府はアメリカ政府との約束から、何が何でも辺野古の海に基地移転をさせねばならない裏事情があるのかも知れませんが、それにしても沖縄県民の大多数の声を無視し、更には多くの自然科学者たちの要請にも耳を傾けることなく、強引に事を進めようとしている日本政府のやり方には、世界中の著名な文化人からも異論の声が湧き上がってきております。 アメリカと言う国は民主主義の先頭に立っている国です。沖縄県民の苦汁を真摯に説明して説得すれば、必ずやアメリカ国民は沖縄県民の心の叫びを理解して下さると私は確信したいのです。
* つい最近になって知る事となった3つの¨おどろき¨をここに記しておこうと思います。
(1)辺野古の海を埋め立てる為に、徳之島から想像を絶する量の土砂を船で運ぶ計画があって、相当のお金が提示された筈なのに、徳之島の人達は、はっきりと NO!!との結論を出されたそうです。徳之島の人々に私は深く敬意を表したいのです。
(2)元NHKアナウンサーであられた池上彰さんのTV番組から学んだ事ですが、人間今のまま無反省の人生を生きていると、100年後には世界の海から砂浜が消え、海岸は真っ赤に染まって、すさまじい地球破壊が現実のものになるのだそうです。そしてそうなる最大の要因は、森を破壊し、海を汚す人間のおろかな行為がそうさせるのだそうです。 100年後は遠い先の事にも思えますが、それは我々の孫達が生きる時代です。子孫の命を脅かす出来事に、我々は絶対に無関心であってはならないのです。
(3)私達の住む沖縄は、北部の山々には美しい亜熱帯の森が茂っております。島々は世界に誇れる美しい海に囲まれております。その美しい沖縄の森は、オスプレー基地建設の為、樹木が見るも無残に切り倒され、海は新基地づくりの為、死の海に姿を変えようとしております。 私達ウチナンチューは、沖縄の美しい森も、宝の海も、ただ単に沖縄の為だけではなく、世界中の人々の為にも、このかけがえのない自然を守らなければならないのです。21世紀の地球は、まさに地球上に生を受けた全ての人達が、世界中の全ての人達の為に、心を一つにして守らねばならないのではないかと私は思うのです。 (2014・11・23日の記) 写真上:タイムス県知事選結果報道 写真下:新報県知事選結果報道 (両新聞社報道写真より) |