| 奧田のコラム(NO93) 我が家の庭のパパイア物語 | ( 2010/08/15 ) | | 沖縄の夏の果物と言えば、近年ハウス栽培が確立してからは、圧倒的にマンゴーがその主役の座に大躍進している感があります。お中元にマンゴーをお届けした友人、知人から返ってくるお礼の言葉は、私の予想をはるかに越えるものがありますので、沖縄のマンゴーはよほど美味しくて、ヤマトンチュー(本土の人達)の心をとりこにしているに違いありません。 沖縄に住む者として、沖縄のマンゴーが沖縄の夏を彩る味覚の王者になってくれる事は誠に嬉しい限りです。
さて次は沖縄のパパイアについてです。 私は最近とても嬉しい発見をしているのです。それはつい一年程前からの事ですが、我が家の小さな庭に、突然一本のパパイアが芽を出し、あっという間に1〜2メートルの大きさに成長し、白い花を咲かせ、小さな実をつけ始めたのです。パパイアの実は日に日に大きくなり、次々と色づき、遂には片方の手のひらでは掴みきれない程の大きさに成長してくれたのですから、何だか私には夢の中の出来事のように思えておりました。どうやらこのパパイアは一羽の小鳥が運んでくれた好運の種によるものかも知れません。
さてさて、我が家の小さな庭にどっかりと根を下ろしたパパイアの木は、二年目に入ってからは、まるでパパイアの王様のような風貌に成長し、今では採っても採っても間に合わないぐらいに見事な実を増やし続けているのです。 黄色く熟れると、真っ先にやって来て、ちょうどの食べ頃を教えてくれるのは小鳥たちです。 スズメ、メジロ、ヒヨ、シジュウガラなど実に様々な小鳥たちが早朝からやって来るのです。 初めのうちは「小鳥たちに食べられてなるものか」!!と競争心を燃やしていたのですが、考えてみればこれは小鳥のお陰かもしれないのです。今は小鳥たちと仲良く分け合っているのですが、それでも私達夫婦だけの生活ではどうにも処理できない収穫量です。とうとう家内は熟したパパイアをジャムにして保存する事を思いつき、お陰で我が家の冷凍庫はパパイアジャムで埋め尽くされ、嬉しい悲鳴を上げているのです。ご希望の方がおられるのであれば、家内はきっと喜んでお配りするに違いないと私は思っています。
沖縄のパパイアは果実の青いうちに野菜として食べるのを常としていて、あまり果物としての評価はされていない節があるのです。私も永い間沖縄に住んで、そういうものとばかり思っていたのですが、我が家の庭に実をつけてくれたパパイアの美味しさには充分に満足しているのです。パパイアのみならず、良く気をつけて見れば、沖縄ではバナナも、グアバもパッションフルーツも、アセローラも、シークアサーも、いろいろな果物がすぐ手の届く各家庭の庭にわんさと実をつけているのですから、今更ながら沖縄に住む喜びに胸をときめかせている昨今の私です。
ところで私は、パパイアには特別の思い出があるのです。 沖縄ではパパイアは、健康野菜の王様として昔から特別の評価がなされております。 今から20年ほど前、当時パパイアおじさんと呼ばれていた人から「パパイアこそは実も種も皮も樹液もみんな素晴らしい健康食品のかたまりだから、是非とも研究してみるといいですよ・・」と教えられ、素人ながら奮起して「パパイアエ キス」なるものを製造した事があるのです。パパイア商品を販売するにあたっては「薬事法」なる難しい問題があってW公Wにするまでには至りませんでしたが、未だにまだ少しは未練が残っているのです。
残念ながらパパイアおじさんはすでに故人となっておられるのですが、我が家の庭に育ったパパイアの威力を見るにつけ驚嘆するものがあるのです。この度のパパイアとのご縁がそんな私に、もう一度パパイアを見直してみたら・・・・と呼びかけてくれているように思えてなりません。私流のやり方で、パパイアの実も種も皮もまるごと粉末にするなり、樹液による酵素飲料なりを試作して、私の身体で実験してみようと思うに至っております。 そのうち成果をご報告出来ればと思っています。乞うご期待であります。 (2010・8・15の記)
写真上:ご近所の平田様からいただいた我が家のパパイアの写真 写真中:パパイアの木から収穫された美味しいパパイア 写真下:半分に切ったパパイアの中は真っ黒い種がぎっしり詰まっています | | |