| (bS9)第5回「琉球の祭典」と太極拳「ミルクムナリ」【10/25,26開催】 | ( 2008/11/26 ) | | 「琉球の祭典」は、「Ryukyu民族の祭典」という名称で親しまれていたものです。今回の第5回大会から、「琉球の祭典」という名称に変わり、県をあげての一大イベントに拡がりを見せてきているのです。
この祭典には、遠くは北海道の"よさこいソーラン節"、新潟県の"佐渡おけさ"、高知県の"よさこい鳴子踊り"など、大挙して出演される大掛かりな催しですが、何と言ってもメインの出し物は、"ミルクムナリ"という音楽に乗って、数百人の若者たちが舞い踊る、勇壮闊達な"エイサー踊り"であろうかと思われます。 この踊りに触れた人は、誰もがその魅力に虜になってしまうと言われるのですが、勇壮闊達なエイサー踊りもさることながら、"ミルクムナリ"という音楽の素晴らしさに、その秘密が宿っているのではないかという気がしているのです。何故なら、この音楽を聴くだけで私の体は熱くなってしまうからです。
さて、今年の7月頃であったと記憶しております。ミルクムナリの作曲者である日出克さん(コラムNO17に記載)から、「今年の秋の祭典では、ミルクムナリによる太極拳を舞台にかけてみたい・・・」とのお話があり、私は気軽な気持ちで「ハイ、解りました」と答えていたように思います。 祭典の前日、リハーサル会場に足を運んでみて、あまりの会場の大きさにびっくりしてしまいました。ある旅行会社が誘致する県外のお客さん、県内のお客様、併せて、2500〜3000人程の座席が用意されていたのです。こんなに大勢の人前に立つのかと思うと、足がすくむ思いでしたが、もう後に戻る事など許されるはずも無く、私は何度も天を仰ぎ、覚悟を決めてステージに立つ他はありませんでした。
その時のステージの様子は次のようなものでした。 およそ300人の若者が、ステージを取り囲み、比較的ゆっくりとしたミルクムナリの音楽にのせて、太極拳風の群舞を舞うのです。私はそのステージに一人で立ち、私の思うがままの太極拳を舞えばそれでよかったのです。日出克さんの生演奏をバックに、300人の若者たちとの競演に何の違和感もなく、まるで夢の中の出来事のような思いで、私は2日間のステージを無事に舞い終える事ができました。
時が過ぎて、今、頭の中には二つの思い出が記憶に残っております。 一つは、ミルクムナリによる太極拳など、これまで誰一人として考えた事の無い発想であり、この時のステージが世界初の事であろうと思える満足感です。もう一つは、当日、一緒のステージに立たれた伝説のミュージシャンと言われるハードロックのジョージ紫さんが、わざわざ私の楽屋を訪ねてくださり、「素晴らしい太極拳でした、自分も太極拳をやってみたくなりました」と言って、何度も強い握手を繰り返してくださったその時の感激です。 ハードロックという「動」の世界と、太極拳という「静」の世界がどこで、どう結びつくのか、私にはその結論が見つかってはいないのですが、いずれにしても、2008年の琉球の祭典は、私に思いもかけない大きな思い出と、喜びと、人生の収穫をプレゼントして下さったのです。 感謝の気持ちがこみ上げてくるばかりです。
※写真下 右 ジョージ紫さん 左 城間健市さん
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