 太極拳大恩師の(故)楊名時先生   在りし日の楊名時先生・太極拳雄姿   在りし日の楊名時先生・太極拳雄姿    |  上記の言葉は、私の太極拳の大恩師である(故)楊名時先生が、太極拳上達の心得として日頃口にされたり、色紙に書いておられた言葉の一部ですが、私は今、80歳を目前にしてこの言葉の意味を深く噛み締めているところです。
2016年1月17日発信のコラム以来、私は1ケ月半もの間コラム書きを休んでおりました。特別な理由があったとは思われませんが、とにかく私の中では大切にしていたコラム書きを1ケ月半もそのままにしていた自分の無責任さに、大きな反省をさせられているところです。 どうしてそんな無責任な自分になっていたのであろうかと、一生懸命自問自答しておりましたが、やっとの事で辿り着いた結論は、とにかく80歳を目前にした私は、今確実に老化現象と思える世界に足を踏み入れつつある事に気付かされているのです。
今の季節、沖縄には風邪・インフルエンザが蔓延しているようです。 今から20数年前までの私は、風邪が流行れば誰よりも早く風邪をひき、誰よりも早く扁桃腺を腫らして高熱に苦しむ体質であったように思いますが、1996年の或る日、家内の突然の事故入院を機に、ご縁をいただく事となった気功と太極拳のお陰で、以来20年余りの私は、今日まで風邪・扁桃腺の腫れとは無縁の体質になったばかりか、病気らしい病気とも無縁の健康体になっておりました。
今年の2月は日本中が例年にない異常気象に見舞われ、今でもまだ日本各地でその状況は続いているようです。沖縄でも例外ではありませんでした。そして2月中旬からは風邪とインフルエンザの襲来です。 私はついこの間までは、どんなに風邪が流行っても、絶対に自分だけは風邪にはかからないと確信していた筈なのに、どうやら今年の風邪は、確実に私の身体にも異常をおこさせていたに違いありません。私は2週間あまり、何ともガテンのいかない症状に苦しめられていたのでした。
我が家では最初に孫が風邪にかかり、孫の面倒を見ていた家内にうつり、私にうつり、家内はいまだにまだ風邪気味の中をさまよっているようです。私の体調は何んとか元に戻っておりますが、¨自分は絶対に風邪はひかない¨との確信は、今回でもう終わりにして、これからは¨季節の変化には充分気を付けよう¨と言う考えに変える事といたしました。
80歳を目前にした私の身体には、この他にも沢山の大きな変化が生じてきております。
(1)足腰が極端に弱くなりました。50歳の頃から20数年をかけて走り抜けた、地球一周40,000キロ走破の健脚も、今は見る影もありません。せいぜい週2〜3回、近くの運動公園をゆっくりと2〜3キロ歩くのが精一杯です。
(2)歩く速さが遅くなり、歩幅も小さくなり、今では殆どの人が私の歩きをどんどん追い越していきます。残念ながら仕方ありません。それでもまだ大好きな水泳は、週2回の割合で5年間プールに通い、その都度1時間は泳いでおります。お陰様で週7か所の気功・太極拳教室はまだ続いております。
(3)2歳半の孫と遊ぶのは大きな楽しみの一つですが、孫の動きになかなかついて行けず大苦戦です。孫が帰った後は、いつもテレビの前の椅子にバッタリと倒れ込んでしまいます。
(4)物忘れがひどく、人の名前が覚えられません。気功・太極拳教室に来て下さる生徒さん達の名前を覚えるのが至難の業です。そればかりか、大小さまざまな忘れ物は日常茶飯事で、自分自身であきれかえるばかりです。
(5)一番大好きなゴルフはもう2〜3年遠ざかっています。ゴルフだけは80歳で終わりにはしたくなく、暖かくなれば、気の合う仲間と月に1〜2回はショートコース位は回りたいものと念じております。
(6)大好きだった歌も、もう20年ぐらいマイクを手にしておりません。ずっと昔、自分で作詞・作曲した歌が何曲かあるので、いつか誰もいない所で、一人静かに自分のギター伴奏で歌ってみたいと思う様になり、つい先日、40数年も前に買い求めてそのままお蔵入りしていたギターを引っ張り出し、大修理を終えたばかりです。これから又、新しい80歳の手習いを始めてみたいと思っているところです。
(7)80歳ながらも、80歳からにしか味わえない人生の喜びに向かって、それなりの歩みを進めてみたいものであります。80歳からのキーワードは何事につけ、¨あせらず、おごらず、おこたらず¨の人生ではないかと思う様になりました。 (故)楊名時先生には万感の感謝です。 2016・3・3日の記
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