| 奥田のコラム(NO202) 韓国旅客船犠牲者に祈りを捧げます | ( 2014/04/25 ) | | 毎年4月になると、私は桜前線の開花と共に、過去の楽しい思い出ばかりが蘇って来る筈なのですが、今年に限ってはそれらの思い出もなるだけ控えめにして、心静かに祈りの日々を過ごさないではいられません。 4月16日、多数の修学旅行生を乗せた韓国旅客船¨セウォル号¨の沈没事件は、日を追うごとに悲しみが深まるばかりです。
セウォル号は、2012年9月までの18年間は¨なみのうえ丸¨と言う名前で沖縄―奄美―鹿児島間を繋ぐフェリーとして活躍していた船でした。沖縄に住む私達は何らかの形でこの船にはお世話になり、私は船内の様子もある程度記憶の中に残っているだけに、沈みゆく船室から脱出出来ず、寒くて暗い海中でもがき苦しんで亡くなられた青年たちの事を思うと、何ともやりきれない思いになってしまうのです。
@ もう助からないかも知れないと覚悟を決めた高校生が、母親に送ったメール『もう会えないかも知れないけど愛しています。』には涙が溢れました。
A 一旦船外に逃れていながら、船の中に取り残されて泣いていた子供を助けるために船に引き返し、自分の命と引き換えに子供を助けた青年の行動。
B 自分の身に着けていれば助かったであろう救命胴衣を、次々と他者に与え続けながら犠牲になった若い女性の船員さん。韓国の若者たちの行為には唯々深く頭が下がるばかりです。
C 事件発生後一週間が過ぎ、犠牲者の慰霊祭に参加した高校生が書き残した言葉にも胸を打たれました。その言葉とは『もう一度生まれ変わっても、自分は船で亡くなった諸先輩と一緒の後輩でありたい』でした。
とても悲しく、とても残念な出来事ですが、私は今回の出来事を通して韓国の青年たちを心の底から好きになりました。自分の子供や孫達には、是非とも将来韓国の青年達とも仲良くなってもらいたいと思いました。
何一つ役に立たない自分がもどかしいのですが、心から、心から、尊い命を海中に沈めた青年たちのご冥福を祈り、後に残されたご家族の皆様には衷心からお悔やみを申しつつ、残された2014年4月の日々を深い祈りの中で過ごしていようと自分に言い聞かせている昨今の私です。 (2014・4・25日の記) 写真上:元なみのうえ丸の写真 写真中:沈みゆくセウォル号 写真下:献花(黄色いバラの花) | | |