| 奥田のコラム(NO183) 健康人生(その一):平均寿命と健康寿命 | ( 2013/07/31 ) | | 数日前の新聞、TV報道によれば、日本人女性の平均寿命が3年ぶりに香港を抜いて86.41歳の世界一に返り咲き、男性は79.94歳で第5位との事です。 さて、この平均寿命をどう評価すれば良いのか、実は大きな問題がこの裏側に潜んでいる事を知る人はそれ程多くはないのです。
平均寿命とは、いわゆる死を迎える平均年齢の事で、健康寿命とは自分の事は何とか自分でやれる元気人生の年齢を言うのだそうですが、この平均寿命と健康寿命の差が実は大問題なのです。 日本男性の平均寿命と健康寿命の差は約10歳、女性は13歳もの開きがあるのだそうです。この差が、いわゆる¨ねたきり人生¨と言う事になるのですが、寝たきり人生の中には、ただ息をしているだけで意志表示が皆無の人も相当数のパーセンテージを占めていると聞きます。
日本の医療界の現状は、病気を治す事と、病人の延命治療に主眼が置かれていて、病気にならない健康人生を応援する、いわゆる予防医療には、殆ど目が向けられていないのです。 この医療制度が、今大きな社会問題となって日本国の屋台骨を揺さぶる種になっている事は誰もが気付き始めているところです。
難しい医療制度の在り方については、国の専門分野の方々にお任せする他はないにしても、私達一人一人が¨健康寿命¨を最大限に生ききる事こそが、この世に生を受けた人間の心掛けるべき最大の義務と責任ではないかと私は思うのです。
健康人生(その二):健康寿命100歳を生きる達人たち
(その一人):宮崎秀吉さん(102歳) 京都に住む宮崎秀吉さんは、今年102歳ながら100歳以上の100M走の世界記録保持者だそうです。記録は33秒との事ですが、どうしてどうして、自分のこの記録をまだまだ縮める事に意欲満々なのですから、凄いの一言です。
宮崎秀吉さんのもう一つの目標は、3Kの重さの砲丸投げです。 先日のTV番組では,第一投2m80、第2投3m30でしたが、練習では4mを超えるのだそうです。目指すところは5m10の世界記録を超える事だそうですから、これまた凄いのです。
宮崎秀吉さんの走る姿にも投げる姿にも、ほれぼれする美しさが漂うばかりですが 私が最も驚いた事は、宮崎秀吉さんが走り始めたのが92歳から、そして砲丸投げを始めたのは5年前の97歳からというのですから、これにはもう口に出す言葉が見つかりません。
宮崎秀吉さんの姿を見ていると、人生に終わりはなく、決断した時がいつも新たなる 人生の出発点と言う事なのかも知れません。宮崎秀吉さんこそは、まさに健康寿命を生きる達人中の達人と言えるのです。 私はこの人を私の人生目標の一人にしようと心に決めました。
(もう一人):藤原ツヤコさん(101歳) 藤原ツヤコさんは、どう見ても私の目には80〜85歳としか思えません。 藤原さんは家族とのおしゃべりが大好きで、毎晩の食事の後は最低でも1時間のおしゃべりを欠かす事はないそうです。しかもそのおしゃべりには身振り手振り、身体中が動いておまけに笑い声が絶えないのです。
藤原ツヤコさんの記憶力は抜群で、親族19人の名前と生年月日は勿論の事、大好きな相撲の関取の名前とその出身地は、全部頭の中に入っているそうです。藤原さんは外出も散歩も大好きで、藤原さんの脳を調べたお医者さんの話によれば、藤原さんの脳は70歳前半の脳だそうです。どうやらおしゃべりと笑いと外出好きは、健康の原点なのかも知れません。
*藤原さんの脳を調べたお医者さんが提示された健康長寿の3箇条は:
@ 年をとっても肉を食べるべし(70歳を過ぎてからもタンパク質の量を減らさない) A 生き甲斐を持つべし(やりたい事をやり続ける情熱が大事) B 日々家事をすべし(家事は身体と脳の両方を使う)
(2013・7・30の記) 写真上:102歳宮崎秀吉さん 写真中:宮崎秀吉さんの砲丸投げ 写真下:101歳の藤原ツヤコさん (いずれもNHK TVより) | | |