| (NO81) バンクーバーオリンピックの聖火台 | ( 2010/03/06 ) | | 日本時間の2010年3月1日、17日間に亘って開催された第21回冬季オリンピック・バンクーバー大会が幕を下ろしました。連日の熱戦に夢中になっていただけに、終わってみると幾分の寂しさも覚えるのですが、精魂の限りを尽くした選手の労をねぎらいたいものであります。 冬季オリンピックではありませんが、14年前のアトランタオリンピック聖火ランナーの一人に選んでいただいた事のある私にとっては、オリンピックと言えば、あの聖火に特別の関心を抱いてしまうのです(コラムNO36,37に記載)。このたびのバンクーバー聖火台のまさかのハプニングには、おそらく世界中の人達がまさかの驚きと、まさかの感動の終演に酔いしれたに違いありません。私も全くその中の一人でした。
(T)まさかのバンクーバーオリンピック開会式 4人の最終聖火ランナーが会場に姿を現し、さて一体どこの聖火台に聖火が燈されるのであろうかと、かたずを呑む思いで見ていたのですが、何と大会会場の中央部地下から4本の柱が姿を現し、その四方に聖火を掲げた4人のランナーは立っていたのでした。驚きのハプニングが起こったのはその直後の事です。 4本の柱が立ち上がり、その4本の柱に聖火が点火されるものと誰もが思った筈なのに、何故か一本の柱は大地に横たえられたままで、3本だけに聖火は点火され、点火された三つの炎は勢い良く上空に駆け上がって行ったのです。開会式を見ていた世界中の人達は、一瞬自分の目を疑ったに違いありません。これは、まさに世紀の大失態だったのです。私もこの光景には一瞬心臓が止まるほどの驚きを覚えたのです。 しかし、と言う言葉はこんな時に使うのかも知れません。この大失態は、今度は、とてつもないまさかの大成功の閉会式に導かれていく事になるのです。一体誰がこんなに凄い演出を考えたのでしょう?。これは誰の演出でも無く、あえて理由をつけるなら、これはまさに聖なる聖火の神様がなされた、バンクーバーオリンピックへの感動の贈り物と言う事になるのでしょう。 (U)感動のバンクーバーオリンピック閉会式 17日間に亘る熱戦が終わり、閉会式が始まると、会場中央の地下に眠っていたあの一本の柱は、一人の道化師を伴って再び静かに地上に姿を現したのです。道化師の魔術に導かれるかのように、この柱は静かに頭を持ち上げ、開会式で聖火を点火できなかった聖火ランナーの手で点火され、その火は17日間燃え続けていた3本の柱に合流し、めでたく本来のあるべき姿に辿り着いたのでした。 この様子を見守っていた会場は、溢れるばかりの拍手喝采に包まれ、見る人の心を感動の渦に包み込んでしまったのでした。誰も予想し得ない何と言う素晴らしい光景でしょう。 この光景を再び見られる事はもう無いでしょう。私も感動の涙をこらえる事ができませんでした。バンクーバーオリンピック有難う!。バンクーバーの聖火と聖火台のまさかのハプニング有難う!!。これからオリンピックがある度に、きっと思い出さずにはいられない感動の聖火台物語でした。
(V)オリンピックは世界の平和と友情の範であって欲し い バンクーバーオリンピックには82カ国から26、000余人の選手が参加されたそうです。 オリンピックでの金・銀・銅メダルはそれなりに最高の名誉の証である事に何の異論も無いのですが、この地球上にはオリンピックとはまるで無縁の国々や人々もまだまだたくさんいるのだそうです。南米のチリでは、オリンピックの最中でも、大地震、大津波に見舞われ、人々は路頭に迷っているのです。願わくばオリンピックが、富める国々の競争の祭典に終わるのではなく、世界中の平和と世界中の人々に幸せを運ぶ最前線の祭典であって欲しいと私は願いたいのです。そして、誰もがスポーツの喜びに浸る事のできる人生であって欲しいものであります。
(W)日本選手の大活躍にも大きな拍手を!! 日本ではフィギアスケートの浅田真央選手、高橋大輔選手の銀メダル、銅メダルを筆頭に様々な感動に沸きました。カーリングというスポーツにも楽しませていただきました。オリンピックに参加され、ベストを尽くされた全選手に、心からのねぎらいと有難うの言葉をかけてあげたいのです。 特筆したい事は、日本の国籍にこだわることなく、世界に飛び出して自己の道を究めようとしているロシア国籍の川口悠子選手と、若干16歳にしてアメリカ国籍となって活躍している長洲未来選手の事です。私はこのお二人に心からの拍手を贈りたいのです。何故なら私達人間は、誰もが地球という星に生を受けているのですから・・・。私はW人間、至る所に青山ありWという言葉が大好きです。 (2010・3・5日の記)
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