| (No.73)ダライ・ラマ沖縄講演「平和と慈悲のこころ」 | ( 2009/11/17 ) | | 2009年11月5日のダライ・ラマ法王沖縄講演には、5,000人の人達が県立武道館アリーナ棟を埋め尽くしたそうです。入場チケットは発売初日の9月1日に完売されたとの事ですから、只只驚くばかりの出来事でした。残念ながら私はチケットを入手する事が出来ませんでしたが、後日の新聞報道や、講演に参加できた友人、知人達からの報告で、おおよその講演内容を知る事が出来ました。心にしみるものがありましたので、自分なりに理解できた事をコラムに書き残しておこうと思います。
(1)平和な世界を実現する為には、人間に備わった知性を発揮する事です。その知性とは、自分以外の人に敬意を払う事、他者を自分の一部と思えるW愛と慈悲のこころWを育てていく事です。そうすれば、どんな問題に直面しても平和的解決が達成できるのです。
(2)幸せに生きられるヒントは、物質的な豊かさには限界があることを知る事です。人間にはこころと体という問題があり、物質的豊かさには、肉体的レベルにおいては快適な暮らしは出来ても、精神的な幸せを得る事は出来ません。
(3)今、私達は内なるものの価値観に関心を払うべき時に来ています。内なるこころの平和を築く為には自信を持っていなければなりません。自信を持った人間になるためには、愛と慈悲に溢れたこころと態度が必要です。自己中心的な考え方をすれば自分自身に孤独をもたらし、他人に対する不信や破壊的な行動をもたらす事になるでしょう。
(4) 母親を始め、身近な人から注がれる愛情を人生の土台にして、その愛情に感心を払う事が出来れば、人間はより幸せに、より健康な人生を生きていかれるのです。
ダライ・ラマ14世法王は1935年のお生まれです。チベットの農家に生まれたダライ・ラマ法王(本名、テンジン・ギャツオ)は、2歳のときにダライ・ラマ13世の転生と認定され、5歳で14世法王に即位、チベットの最高指導者になられました。その後は中国によるチベット支配を逃れ、24歳でインドに亡命、北インドのダラムサラにチベット亡命政府を樹立。以来、世界各地で慈悲のこころと非暴力の教えを説き続けられ、1898年にはノーベル平和賞を受賞、「世界で最も影響力のある100人」の一位にも選出されておられます。
ちなみにダライはモンゴル語で「大きな海」、ラマは「指導者・高僧」を意味し、慈悲のこころの象徴とされる観音菩薩の化身と崇められているそうです。溢れるばかりの慈悲のこころで、平和の使徒としての生涯を捧げておられるダライ・ラマ14世法王に感謝の合掌を捧げます。 | | |