6月19日県民大会に結集する沖縄県民(沖縄タイムスより) 6月19日県民大会に結集する沖縄県民(琉球新報より) 県民大会会場風景 翁長 雄志沖縄県知事 玉木 愛さん | 沖縄の梅雨が明けて間もない6月19日、沖縄県奥武山陸上競技場に集まった沖縄県民の数は、何と6,5000人にも達したとの新聞報道です。 気温32度、殆ど日陰も無い猛暑の炎天下に、これだけの人達が必死の思いで参加したこの現実を、日米政府の要人たちはどんな思いで見ていたのであろうかと、私はあらためて凝視しないではいられませんでした。
大会終了後に発せられた菅政府代表官房長官のコメントは、「この集会には日本政府を支援する自民党、公明党、維新の会の人達は参加していないのだから、全く気にしておりません」でした。私はこのコメントを聞いた瞬間から、あまりに非情な日本政府の事を大嫌いになってしまいました。
事の起こりは(コラムNO244にも書いておりますが)、今年の5月中旬、夕方のウオ―キングに出かけたはずの20歳になる名護市民の女性が、突然米軍属の男に拉致され、暴行され、殺害され、その遺体を米軍基地沿いの森に遺棄していたのですから、沖縄中が、またしても悲しみと怒りの渦の中に巻き込まれてしまったのです。 終戦後70年が経った今でも、沖縄ではまだこんな残酷な悲劇が続いているのです。
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6月19日の追悼式でスピーチされた方々の中から、3人の方の挨拶をここに記させていただき、しっかりと私の心の中にも留めておかねばならないと思います。
(その1) 翁長雄志沖縄県知事の挨拶(要約) 先日、被害者が遺棄された場所に花を手向け、手を合わせてまいりました。 心の底から「あなたを守ってあげる事が出来なくてごめんなさい」と言葉が出てまいりました。日本政府は沖縄県民の怒りが限界に達しつつある事、また、これ以上の基地負担に県民の犠牲は許されない事を理解すべきであります。
私は沖縄県民の生命と財産、尊厳と人権、そして将来の子や孫の安心と安全を守るべき知事として、このような事件が二度と起きないよう、県民の先頭に立って、日米地位協定の抜本的見直し、海兵隊の撤退、削減を含む基地の整理縮小、新辺野古基地建設阻止に取り組んでいく不退転の決意をここに表明し、私のご挨拶といたします。
(その2) オール沖縄共同代表、玉城 愛さん(21歳)の挨拶(要約) 安倍晋三さん。日本本土にお住いの皆さま。今回の事件の¨第2の加害者¨はあなた達です。しっかりと沖縄と向き合っていただけませんか。いつまで私達沖縄はバカにされるのでしょう。パトカーを増やして護身術を学べば、私達の命は安全なのか、バカにしないで下さい。
バラク・オバマさん。アメリカから日本を開放して下さい。そうしなければ沖縄に自由と民主主義が存在しないのです。私達は奴隷ではないのです。あなたや、米国に住む市民の皆さん、被害者とウチナンチュー(沖縄の人)に真剣に向かい合い、謝って下さい。 会場にお集まりの皆さん。幸せに生きるって何なのでしょうか。一人一人が大切にされる社会とはどんな形をしているのでしょうか。大切な人が隣りに居る幸せ、¨人間の命こそ宝¨なのだという沖縄の精神、私はウチナンチューであることに誇りを持っております。
(その3) 被害者の父のメッセージ(代読) ご来場の皆様へ。米軍人・軍属による事件事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。何故娘なのか。何故殺されなければならなかったのか。 今まで被害に遭った遺族の思いも同じだと思います。被害者の無念は計り知れない悲しみ 、苦しみ、怒りとなっていくのです。 それでも遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。次の被害を出さない為にも全基地撤去。辺野古新基地建設に反対。県民が一つになれば可能だと思っています。県民、名護市民として強く願っています。 ご来場の皆さまには、心より感謝申し上げます。 平成28年6月19日、娘の父より 2016.6.21日の記
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